コーヒー産地のお正月

 元旦には「お節料理」、二日には「とろろ」、そして昨日は「七草粥」、さらには鏡開きとお正月らしい行事が続きます。いかにも日本的な雰囲気が心地よく、日本に生まれてよかったと思える瞬間です。じゃあ、コーヒーの産地ではどんなお正月を過ごしているんだろうか?と疑問が湧き、少しばかり調べてみました。
■ブラジル
 新年にレンズ豆を食べる習慣があり、富や繁栄の象徴とされるレンズ豆を食べると、新しい年も幸運に恵まれると信じられているそうです。ちなみに、ブラジルでは大晦日に白い服を着て過ごす習慣があるのだとか。白はブラジルの民間信仰の水の女神様を称える色で、新年への願いを込めて身につけるのだそう。また、年越しをビーチで迎える人も多い真夏のブラジルでは、新年を迎える瞬間、海に入って7つの波を乗り越えながら願い事をし、そのまま後ろ向きにビーチに戻ってくると願いが叶うという言い伝えがあるそうです。
■コロンビア
 若い世代は迷信だとバカにしたり、習慣自体あまり知らなかったりするそうですが、面白い習慣があるようです。・台所などに麦の穂で作った飾りを飾る。(来年の豊穣と幸運を祈る)・大晦日の数日前から「アニョ・ビエホ(古い年)」という等身大の男の人形を廃品などで作り、大晦日の年明けと同時に燃やす。(古い年の厄を落とす?)ただしこれは主に田舎や貧困地域で行われ、都市部のお金持ちの人はしないそうです。また、年明け前に12粒のブドウを食べ、12ヶ月の幸運を祈り、一つ食べるごとに心の中で願い事をします。そして、12時と同時に新しい黄色いパンツ(下着)にはきかえるんだとか。さらに、空の旅行かばん(スーツケース等)を持って家の周りを一周し、新しい年にいっぱい旅行ができるように、という願いをこめるようです。
■グアテマラ
 お正月といってクリスマス休暇の続きという感じのようです。お正月明けの1月6日ごろまで、クリスマスの飾りが飾られたままのようですし、お正月の食べ物も、タマル(とうもろこしの粉を練って、鶏肉や野菜をトマトソースで煮込んだものをくるみ、バナナの葉に包んで蒸したもの)やポンチェ(カットしたパイン、バナナ、リンゴ、パパイヤ、レーズン等の果物に、水と砂糖、シナモン、生姜を加えて作る温かい飲み物)などでクリスマスと同じようなものを食べます。また、2日から仕事が始まる場合が多いので、元旦はクリスマス休暇の最後の日でもあるのです。
■エチオピア
 独自の文化を持っており、9月11日がエチオピア歴での正月となります。また、国際時間の0時ではなく、朝の6時が新年の始まりになるうえ、エチオピアでは13月まで存在するそうだから非常に複雑です。では、西暦の1月1日はというと、ごく普通の日となっているため、学校もあれば会社も休みではないので正月な雰囲気は全く無いのです。
エチオピアでの新年1月1日(西暦9月11日)は、日本のお節料理のような定番料理があり、こちらではドロワットという料理のようです。タマネギを何キロもきざんで香辛料と一緒にじっくり炒め、鶏肉と一緒に煮込んだドロワットは、辛さもおいしさもエチオピア料理一と言われています。
 たぶん、こうした国々へ行くことは無いと思うのですが、だからこそ、その国の暮らしぶりを知ることで、そこで生産されたコーヒーの香りとともに、その国の文化の一端を同時に楽しむことが出来ると思うのです。