参考になりませんが

 稀なことですが、同業他社の方が来店されることがあります。どうも何だか様子を伺いに来たのではないか?と思われるような人から、「〇〇〇です。」と挨拶される人まで、正直、人の態度を客観的に見るのは面白いものです。

 そうやって挨拶される人に答えているのが、「参考になりませんが、」、「わざわざ来るような店でもないですよ。」という言葉です。別に謙遜になって言っている訳ではなく、市場規模も小さく、有名でもない田舎の珈琲屋には、見るべきものは無いと思うからです。

 それに、地元で楽しんじゃおう!ってのが目標でやっている私では、商売を大きくしようとか、大きな夢を抱いている人にとっては至極つまらない珈琲屋なのです。儲かるか儲からないかより、楽しそうかどうかを選択基準にしており、その状態が長く続くような工夫も楽しんじゃう訳です。

 ですから、「焙煎とはこうあるべき。」とか、「目指すべき珈琲屋の姿は。」なんてものもなく、師匠や先生と呼ぶような人もいません。全て自己責任で、「ためしてガッテン」を実践する日々ですから、職人とは言えないレベルです。恥ずかしくて「焙煎人」とか「焙煎士」なんて言えなません。そして、聞かれたら何でも話しちゃう非秘密主義です。

 そんな店に、昨日も自家焙煎店の店主の方が立ち寄っていただきました。いつものごとく、「参考になりませんが、」で始まる会話でしたが、レジシステムについての話題で多少盛り上がり、わざわざ足を運んでいただいた意味があったのではないかと思います。