穴弘法のライトアップ

 土岐市土岐津町高山の穴弘法で、10日から18日までモミジと石仏のライトアップが始まりました。市街地から近く、紅葉狩りの穴場スポットとして年々人気となっており、混雑しないことを願って妻と一緒に出かけてきました。
 このライトアップは、地元住民有志でつくる土岐里山の会が2002年から毎年行っているもので、今年は照明100基を全てLEDライトに替えたということです。夕闇の中、モミジを鮮やかに照らし出す道を歩き、池に映る紅葉眺め、その先を行くと穴弘法と呼ばれる104体の石仏群が現れます。一体一体の前にロウソクが灯され、柔らかな光にぼんやりと照らし出される光景は幻想的です。穴弘法の中心には、昨年に続き、竹製灯籠「竹あかり」が100本設置されており、大きい物で高さ2メートルあります。小さい灯籠は地元の園児や児童らが9月に制作したんだとか。
 高山城高山宿史跡保存会の現地案内板によれば、『穴弘法は戦国時代にこの地で命を落とした人々の霊を弔うため元禄元年に開創された「慈光院梵燈寺」の跡です。梵燈寺は二代の住職が続いたのち廃寺となり、その後荒れていましたが明治時代に地元の人々の力で「古城山遍照閣」として再興され、弘法様として信仰を集め今日に至っています。岩肌に穴を掘り石仏を収める様式は鎌倉時代の「やぐら」に類似し、古くは高山城の武将の墳墓が存在したと推定されます。』とあり、地域の方々によって長く守られてきた歴史があるようです。
 土岐市内には紅葉のライトアップスポットとして、国道363号沿いに位置し、飛騨・美濃紅葉33選にも選ばれた、「曽木公園」もあり、今年も9日~18日までライトアップが行われています。大小八つの池の周辺に約100基のライトがカエデ、イチョウ、ツツジを照らし出され、池に映る「逆さ紅葉」は幻想的で吸い込まれそうな美しさで、この幻想的な風景を楽しみに、期間中は多くの人が訪れています。ただ、マスコミに取り上げられたことで渋滞が発生し、地元の人にとっては行きにくい場所となってしまいました。今日訪れた穴弘法も、地元の人だけの穴場スポットのままでいてほしいと一人願っています。