過ぎ去ったハロウィン

 テレビではバカ騒ぎのようなハロウィンの仮装行列映像が流れていましたが、私はまったく興味が持てなく、NHKのチコちゃんに叱られるで取り上げた、ハロウィンの仮装に関する歴史と文化の方に興味があり、宗教的な意味合いに文化の違いを感じたものです。現代のアメリカでも宗教的な意味合いは全く無く、子ども達がお化けや魔女のコスプレをして、近所の住宅地にお菓子を貰いに行くのが習慣になっているだとか。日本のように大人がコスプレをして騒いで練り歩く光景に、毎年冷めた目で見ていましたが、世の中はすでにクリスマスモードに入っているようです。

 日本では馴染みがなかったハロウィンを商売に利用したのが、90年代後半からハロウィンイベントを行った東京ディズニーランドです。このイベントをキッカケに全国各地のテーマパクで似たようなイベントが行われ、2010年代には都市部で仮装した若者が報道されるなど、日本でも一大イベントになりました。「これは商売になる!」となれば何でもハロウィン仕様にしてしまい、9月~10月末までの商戦素材として猫も杓子も利用しています。

 けれど、ハロウィン行列で有名になった渋谷では、ハロウィンがエスカレートし過ぎてしまい、危険を感じた地域商店がハロウィン特需で儲けるどころか、早々に店じまいを始めるようになってきたそうです。確かに、駐車した車をひっくり返す映像を見ると、被害者にとっては「ハロウィン・テロ」としかいいようがないですから。元々商売のために始めたイベントであり、商売にとってメリットがなくなれば自然消滅するのが道理かもしれません。

 そもそも、ケルト民族でもなく、ドゥルイド教の信者でもない日本人には、仮装行列に意味合いを持たせるには無理があるというもので、ボーっと生きてる日本人が多い世の中は、作られたブームに乗っかり、ブームが過ぎれば新たに仕組まれたブームに追随していくんでしょうね。ブームに乗っかるのが下手な私は、かぼちゃのケーキは作らず、ハロウィンに絡めた商品の販売もできないまま、今年も過ぎ去っていきました。