帰り道の珈琲屋

 松坂屋美術館の帰り道、せかっくなので自家焙煎店で美味しいコーヒーでも飲みたいと、地下鉄・桜通線「高岳」駅からすぐのところにある、クラフトビールやワインも楽しめる「TRUNK COFFEE BAR(トランクコーヒーバー)」へ立ち寄りました。
 店内に入ると先ず、受付でコーヒーやサンドイッチを注文する仕組みです。エスプレッソとエアロプレス、ドリップから選ぶことができ、ドリップのケニアを選択して店の奥に行くと、北欧で買い付けたというソファやテーブルが並びます。椅子にゆったりと身を委ねて前を見ると、大きなプロバットの焙煎機が目に入りました。そして、運ばれたコーヒーとともに小袋が並び、「ご注文いただいたコーヒー豆です。香りをお楽しみください。」とのこと。なるほど、こんなサービスも洒落てていいじゃないの、気に入ればコーヒー豆も買いたくなるし。感心しきり。
 ところが、袋を開けて豆を確かめるとメッチャ浅煎り。ちょっと選択誤ったかと、浅煎りのコーヒーを飲み干すのでした。そして、帰り道に近い次の店を探します。
 そしてたどり着いたのが、千種・古井ノ坂近くにある昔風の外観で、落ち着いた雰囲気のコーヒー専門店「マルヨシコーヒー」です。昔風といっても古民家ではなく、長屋の一部を小奇麗にリフォームしたもので、若者にはお洒落に感じるかもしれませんが、私は子供の頃の安普請の家を思い出して、少しセンチメンタルな気分にさせてくれます。
 店内に入ると、左手には焙煎機とコーヒー豆の入ったショーケース、奥にはテーブル席があり2組がコーヒーとケーキを楽しんでいました。そこで、入口付近の壁に面したカウンター席に座り、深煎りのブレンドを注文します。コーヒーを飲みながら周りに目をやると、ところどころに置かれた植物に心が和みます。
 久しぶりに名古屋に出かけ、ちょっと都会(土岐よりも)の空気とコーヒーを味わった一日でした。