工場見学気分

 時々来店されるお客様から、「こないだ(株)三洋産業の別府工場を見学してきた。」といって、スマホの画像を幾つも見せてもらいながら話を聞く機会がありました。

 (株)三洋産業といっても珈琲屋さん以外は全く知らないと思いますが、大分県別府市に本社を置き、コーヒー関連器具・コーヒー製品の製造販売や、レストラン・喫茶店の運営を行っている会社です。コーヒーのペーパドリップには欠かせないペーパーフィルター(濾紙)の製造においては、国内有数のシェアを占めているのです。

 少し前までは、カリタ、ハリオ、コーノといったドリッパーのペーパーフィルターを全て扱っていたのですが、同社が独自の円錐ドリッパーを作りだしたころからハリオが別会社へ受注したため、ハリオの分は減ったものの国内製造の製品の多くを製造しています。

 製造ラインの工程を画像を見ながら説明してもらいましたが、北海道の苫小牧で作られた紙を九州の大分に持ってきて、圧着・裁断し100枚ごとに検品している様子は、まるで自分が工場見学に来ているような気分になります。

 各ラインごとに2名配置で作業しており、必ず男女の組み合わせになっていることから担当者に質問したところ、「賃金が歩合制になっていることから、作業効率に差のあるペアでは喧嘩になるので、必ず夫婦一組で担当することにしている。」と回答されたとか。確かに夫婦なら運命共同体なので揉めることはないだろうけど、家に帰ったら「あんたが遅いから給料が少ないんだ!」と夫婦喧嘩になったりしないんだろうかと気になります。

 ペーパーフィルターも有名な企業のものから、名古屋の某社のものまで作っていたり、ドリップバッグの受注生産では、東京の有名だけの珈琲屋さんの商品を作っていたりと、意外な一面も知ることができました。お店に居ながら工場見学気分を味わい、何だか得した感じです。