松屋式ネルで遊ぶ

 連休中、お客様が「差し上げます!」といって紙袋から取り出したのが、松屋コーヒーのフランネルフィルターでした。いわゆるネルという物です。けれど、良く見るとネルの形状が一般的な物と大きく異なり、円錐ペーパーフィルターと同じように底が縫ってあります。縫いも丁寧で、金枠を入れる筒状の部分も補強されており、いかにも松屋コーヒーのオリジナルといった作りです。

 今回頂いた物は2~4杯用ということですが、金枠のサイズに合うサーバーがないため、コーヒー粉が枠からはみ出ない2杯出しで試してみました。とはいうものの、ネルは直ぐに使用できないため、熱湯で煮沸したりコーヒー液に慣らしたりと意外と面倒なのです。(ネル派の人に怒られる)

 そんなこんなで準備をし、ネルとペーパーフィルターで飲み比べをすることにします。コーヒー豆は深煎りのケニアを使用し、ネルはペーパーよりもお湯の通りが良いので細く丁寧に注ぎます。出来上がった抽出液を見比べると、透明感はペーパーの方があるように感じ、カップに注いで試飲すると、「!」違いが歴然です。ペーパーのスッキリした味わいが、ネルになると実に口当たり良くまろやかで、後から甘さを感じてきます。商品パッケージに記された『フランネルフィルターで「まろやか」コーヒーを楽しんでみませんか?』どうりに楽しめました。

 抽出器具でコーヒーの味わいが違うのは、実際に試してみると良く分かる事が多く、ついつい新しいものを見つけると使ってみたくなりますが、今回は幸いにもお客様から頂くことができ、本当に有難いことでした。感謝!感謝!

 久しぶりにネルを使用しましたが、松屋式ネルの使い勝手に満足したものの、お店で常時使用したいかといえば正直迷ってしまいます。使用するたびに洗わなければいけないうえ、保存方法にも気を配らなければいけないデリケートの物だけに、大ざっぱ性格の私には不向きだと思うのです。でも、ネルを使用した時の味わいは捨てがたいしな~

 そんな事を考えながら、お客様が途切れた合間に一人、松屋式ネルで遊んでみるのでした。