出会い橋から花見橋

 定休日の今日、朝から焙煎を2回行って、家族と町内の用事で郵便局と農協へ向かい、花粉症の薬をもらいに掛かりつけの医院へ、妻から頼まれた携帯電話会社も行く約束になっています。初夏のような暖かな日差しの中、市内をちょこまかと動くだけでは我慢できなくなり、「花見に行こう!」と、途中で各務原市へ車を走らせることにしました。
 土岐市内の桜は今週末が満開となりそうですが、各務原市内を流れる新境川の両岸にはおよそ1200本の桜が立ち並び、日本さくらの会選定「日本さくら名所100選」にも選ばれている桜の名所です。4月7日・8日には「桜まつり」が予定されていますが、開花状況を調べると既に満開だったため、平日の混雑しない日を利用して見に行くことにしたのです。
 新境川の桜並木は「百十郎桜」とも呼ばれており、設置された標識を見てみると、『(前略)両岸の桜は、昭和6年に蘇原大島町出身の歌舞伎役者、市川百十郎翁により植樹されたことに因み、「百十郎桜」と命名された。(後略)』とあります。調べてみると、地元出身の歌舞伎役者である市川百十郎(いちかわ ひゃくじゅろう)(1882年~1969年)という人が、ソメイヨシノの苗木を昭和6年頃、1200本寄贈したことから「百十郎桜」と呼ばれているようです。
 近くの市民公園沿いにある駐車場に車を留め、「出会い橋」から「花見橋」までを散策すると、両岸には見事な桜並木が続いています。歩きながら写真を撮って周りを見ると、桜並木と異なる場所にファインダーを向ける人達がいます。目線の先を見ると桜並木のすぐ近くを線路が走っており、しかもJRと名鉄の両方です。つまり、撮り鉄の方々だったという訳です。JRの車両はシルバーで映えませんが、名鉄の赤い車両と桜は被写体としても魅力的でした。

 桜を見た帰りには、近くにある珈琲工房ひぐち桜町本店へ立ち寄り、カウンターに座ってコーヒーを飲みます。本日のコーヒーを注文して様子を見ていると、ご婦人グループが全員紅茶を注文しているではないですか。「この店ではコーヒーでしょ!」って思わず突っ込みそうな言葉を飲み込んでいる目の前に、「ハイ。本日のコーヒー、エル・サルバドルです。」・・・、これは土曜日にコーヒーサロンがあったからなんだろうなと思いつつ、コーヒーサロンの休憩時間に飲んだミカフェートのエル・サルバドルコーヒー(モンテカルロス農園のパカマラ)を思い出し、エル・サルバドルに思いを馳せるのでした。(行ったことないけど)

 「出会い橋」では人との出会いはありませんでしたが、コーヒーとの出会いがあったんだと妙に納得したお花見です。