訃報を聞きながら

 サラリーマン時代の先輩OBから、同じエリアで働いていた元同僚が亡くなったとの訃報をいただきました。76歳だったとのことです。今では男性の平均余命が80歳であることを考えると、70代で旅立つには早いと感じるかもしれませんが、90歳や100歳まで生きる方がある訳ですから、その逆があって平均値となるので、けして若すぎるとは言えないのかも知れません。

 連絡をいただいた先輩OBは70歳だそうで、私もセカンドライフを過ごしている年齢となっています。30数年前に家庭を持ち、子供を育てて社会人として送り出し、親としての役目も大方終えている訳であり、人生後半をどのように生きるかというのは大きな課題になっています。ある方がコーヒー豆を購入された際に、「俺は後期高齢者ではなく、終期高齢者だ!」なんて笑いながら話してくださいましたが、終わりがあることを意識しているからこそ、残りの人生を充実したものにしたいとの思いが感じられました。(実際に活動的な方です)

 生きている限り別れがあるのですから、家族との関わりや共に過ごす時間は大切です。一緒にテーブルを囲んで食事をする時間、朝食後に淹れたコーヒーを飲む短い時間、仕事に出かける何気ない言葉かけなど、意外と意識しながら続けていることがあったりします。

 コーヒー豆を購入される方の話を聞くと、ご夫婦で楽しまれるケースも多いようで、夫婦でコーヒーの好みが別れているのに、結局いつもご主人の好きなコーヒー豆を買われる方や、ご夫婦の好みよりも息子の好きなコーヒー豆を買われる方などを見ると、毎回ホッコリした気分になります。

 コーヒーを通して人と繋がる瞬間があることや、家族との時間について、訃報を聞きながら考えてみるのでした。