世界一の狛犬

 定休日の今日は、午前中に定期的に通っている病院へ母親を伴って受診し、午後からは車の定期点検にディーラーへ行きました。車の点検が終わる頃には雨が降り始めます。東京方面では雪が舞っているようですが、土岐市ではまだ雨だけですが、市内でも標高の高い場所では雪まじりの雨だとか。天気が悪いとテンションが下がり、やる気が湧きません。

 そんな気分を変えるため、年末から巡っている犬にちなんだ場所へ向かいます。伊奴神社→犬山の桃太郎神社→世界一の狛犬(八王子神社)ということで、今回は瑞浪市陶町にある八王子神社横にある巨大な狛犬です。高さ3.3m、幅1.56m、奥行き2.4m、総重量は15トン! 世界一大きな狛犬としてギネスにも認定されているのです。

 この狛犬の設置は、瑞浪市制35周年の記念事業であり、国道419号の起点と終点の瑞浪市・高浜市が平成元年8月姉妹都市の提携を結んだことを絡め、国道419号の起点である瑞浪市陶町大川の場所に、「ふるさと創生事業」を活用し、市の文化財に指定されている大川窯四代目羽柴与左衛門景度の美濃焼狛犬をモデルに、世界最大の美濃焼狛犬一対が制作されました。

 また、世界一大きい狛犬のすぐ裏側には、高さ5.4m・直径4.0m・重さ32トンで、世界一大きい茶壷も設置されています。これもギネスに認定されているそうです。 この茶壷のモデルとなったのは、 戦国末期に与左焼として大川窯の全盛期を築き上げた、羽柴与左衛門景度が造った茶壷だそうです。縄文時代、人々は土器の焼け具合でその年の豊凶を占ったといわれることから、この茶壷は、地域に永久なる豊かな稔りと明るい未来を約束するという意味で、『豊穣の壺』と名付けられいます。

 いずれも「世界一」であり、「ふるさと創生」や「豊かな稔りと明るい未来」という、まるで町おこしのモデルのような言葉が並びますが、現実はそんなに甘くないようです。狛犬のある瑞浪市は、平成12 年の人口42,298 人のピーク時から38,020人(昨年12月)まで10%程減少しています。これは土岐市も似たようなものなのですが、狛犬の設置された陶町に限って言えば、平成12年の4902人から3396人(昨年12月)と3割も人口減となっているのです。

 そんな人口減少の影響を受け、町内の信用金庫が隣町の支店へ統合され、中学校も隣町の学校へ統合されました。神社を守る狛犬も町を守ることはできず、豊穣の壺の名も虚しく感じます。町おこしの難しさを痛感した巨大な狛犬と茶壷でした。