伊奴神社へ寄り道

 正月向けのケーキ材料を買うため、名古屋市西区にある「きくや」へ向かう際、同じく西区に「伊奴(いぬ)神社」があるというので、ちょっと寄り道してきました。

 全国には来年の干支である「戌」にまつわる神社がいくつかありますが、意外に近い場所に存在することを知り、良い機会だとカーナビにセットしたものの、住宅街の路地裏にあるため、年内に出かけてきて良かったと思いました。年末年始はマスコミに取り上げられるだろうから、とても車では行けそうにないと感じました。

 伊奴神社について、本社に置いてあったパンフレットを見てみると、こんな由来が書かれています。『昔、庄内川の氾濫に困った村人が旅の山伏にお願いしてお祈りしてもらったところ、その年には洪水が起こらなかった。不思議に思った村人が開けてはならないと言われていた御幣(ごへい)を開けたところ、中には一匹の犬の絵と「犬の王」という文字が書いてあった。そして次の年はまた洪水となってしまった。再び立ち寄った山伏に村人は御幣を勝手に開けてしまったことを侘び、もう一度お祈りをして欲しいと頼んだ。すると山伏は「御幣を埋め社を建て祀れ」といい、その後洪水はなくなった。それが伊奴神社の始まりと云われている。』と、こんな感じです。

 境内には、鳥居を抜けた正面の場所に参拝案内図が書かれており、参拝の順路が記されているので、一旦その場所から順路に従って参拝してみました。そうしないと何だかご利益なさそうだったので。

 ①先ずは本社へお参りです。御祭神となる主祭神は、素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大年神(おおとしのかみ)、伊奴姫神(ぬひめのかみ)です。本社横には伊奴姫神さまは安産、子授けにご神徳があり、また犬は安産安産することから②犬の石像が奉納されています。

 次に③白龍社にお参りです。樹齢800年の椎の木には、いつのころから白蛇が棲んでいると言われ、古来から神様の使いとして崇め尊ばれています。長寿健康・心願成就・金運招来にご利益があるそうです。

 白龍社の横にあるのが④御百度石です。ここから本社までの御百度参りの折り返し地点ということらしいですが、テレビでしか見たことがない御百度参りを行う人が居るのか分かりません。

 白龍社の参道を挟んだ反対側にあるのが⑤大杉社です。御神木の「大杉様」にはその昔天狗が住んでおり、「大杉をさわって患部を撫でると大変ご霊験あらたかである」と伝えられているそうです。白蛇や天狗といい、たいそう賑やかな神社ですね。

 大杉社の裏手には、⑥日枝社、天神社、春日社が祀られています。

 最後にお参りするのが、⑦玉主稲荷社です。五穀豊穣、商売繁盛、産業発展の神様として崇敬を集めています。

 以上が参拝順路なので、順番通り廻りましたが、お参りする箇所が多いため、お賽銭が沢山入れことになります。果たしてご利益はあるのでしょうか?

 そんな不安をよそに御籤を引いてみると、何と「大吉」です。犬の形をした置物の底に穴があり、御籤が収められいるので、紐を引くと取り出せる仕組みなんです。耳が大きい狐っぽい犬なのが神社っぽくて可愛いですね。

 ちなみに、この伊奴神社はペットを連れての参拝を遠慮してくださいとの看板が立てられています。神社は古来より伝統を固く守り、清浄を第一に心がけているので、聖域となっている境内にはペット立ち入り禁止なんだとか。

 今日は寄り道して大正解!「大吉」で気分良く年末年始を迎えられそうです。さてさて、やり残した自分の年賀はがきを準備するとしましょうか。犬の絵だけ書いたまま放置してあるので、なんとか元旦配達に間に合うよう片付けましょう。伊奴神社のご利益に手伝ってもらって!