井の中の蛙にならぬよう

 今朝もエクレール(タナカ製パン)のシュトレンを食べながら、食後のコーヒーを妻と共に飲んでいました。自分が作ったものやスーパーで販売されているシュトレンとの違いを感じ、何がどのように異なるのかをついつい考えてしまいます。そうした考える機会を与えていただいたのは、やはり日頃から応援していただいているお客様で、何か新しい事を行った時に、「井の中の蛙」にならぬようアドバイスをいただいたんだと思っています。

 そんな事を考えながら一日を過ごし、閉店後になって不足したコーヒー豆を焙煎していると、ドアの向こうから怪しい人影です。「こんばんわ」と言って現れたのは、なんと、昨日『ブルボンちなみ35分』に触発されて、とりあえず挑戦してみた『ブルボンちなみに35分』の本家の登場です。ちなみに模倣して焙煎してみたもので満足せず、「やっぱり飲んでもらわなきゃ!」といって、試飲用の豆を持参していただいたのです。恐縮しながらも焙煎途中のため、珈琲談義もそこそこに帰られましたが、その後、お湯を沸かしなおして飲み比べをしてみました。

 私が焙煎した『ちなみに35分』は、『ちなみ35分』よりも焙煎度が深く、苦味が後に残ります。最初の一口が似ているものの、どうしても後味が本家と異なります。焙煎プロファイルの話でも私の温度上昇の方法とは随分違い、これを温度計のない手回しで操るのですから驚きです。「経験です!」と言われてしまうと、ぐうの音も出ません。

 でも、こんな経験ができるのも随分幸せな事です。こうして「井の中の蛙」にならぬよう、わざわざ本人が出向いていただけるのですから、何とありがたいことか!