カプチーノを飲みながら

 定休日の今日は、朝から自宅の生垣を電動バリカンで刈り取り作業です。妻が休みを取ってくれたので、遅ればせながら庭を綺麗にすることができ、自分が床屋に行ったような清々しい気分になりました。

 けれど、気分が良くなった反面、体の方は所々痛みを感じ始めたため、午後からテラスゲート土岐にある「よりみち温泉」でリフレッシュに出かけます。県内で一番の日帰り入浴施設とあって多くの人で賑わっており、露天風呂から見える「土岐プレミアムアウトレット」の駐車場に並ぶ車を見ながら、「インター付近にはこれだけの人がいるのに、土岐市内の町並みまで下りてこないんだろうな~。」などど思ってみるのでした。

 それを実感するのは、隣にある地域連携施設「まちゆい」に入った時です。温泉施設とスーパーマーケットの賑わいに挟まれた空間は打って変わって人影まばらで、市内の観光案内所は閑散としており、土岐の土産物売り場の担当者が館内を手持ち無沙汰のように歩いている始末です。土岐市には魅力がないのか、魅力を発信する力がないのか、ちょっと寂しい気持ちになります。

 そこで、気分を変えてカフェのカウンターでカプチーノを注文し、ゆったりとした空間の椅子に座って飲み始めます。いつも居る「まめ蔵」とは異なる空気が漂って、これまた落ち着きます。コーヒー豆の匂いが充満している「まめ蔵」とは違って、都会風の臭いってのが新鮮に感じるのかもしれません。

 カプチーノを飲みながら取り出した本は『ALL ABOUT COFFEE コーヒーのすべて』 (角川ソフィア文庫: 著者 ウィリアム・H・ユーカーズ 訳・解説 山内秀文) です。帯に、「本書を読まずして コーヒーを語るなかれ!」なんて書いてあるもんだから、珈琲屋としては読まずにいられないのです。けれど、もう既にコーヒーの事を語ってしまってるじゃないですか。どうしたものかと思いながらも読み始めます。

 カプチーノを飲みながら、これまで色々な器具でコーヒーを淹れてきたこを思い出しました。サイフォン、マキネッタ、コーヒープレス、そして、エスプレッソ。でも、最終的にはペーパードリップの松屋式を選択してお客様に提供しています。そのためか、エスプレッソについての知識が乏しいのです。目の前のカプチーノだって、カフェラテと何がどう違うのかって聞かれて、一応教科書的には答えられても、現実には混同しちゃってる店も多く、上手く伝える自信がありません。

 やっぱり、「本書を読まずして コーヒーを語るなかれ!」ってことなのかな。