塩コーヒー

 今、再び塩ブームなんだとか。ちょっと前の2011年頃には、TVや雑誌で取り上げられた、塩キャラメルや塩麹など、塩◯◯が一躍ブームになった記憶がまだ残っていますが、昨年頃から、粗塩を振りかけて焼いたり、生地に岩塩を混ぜ込んでから焼くものなど、たくさん新しい食べ方が提案され、デパ地下の塩パンの店には行列ができているそうです。
 そんな塩ブームに引っ掛けて、以前から試したかった塩コーヒーを飲むことにしました。塩コーヒーというのは、エチオピアで行われているコーヒーセレモー(現地ではカリオモンと言う)で実際に飲まれているもので、コーヒーに砂糖をたっぷり入れたものや、スパイスを入れたものの他、一般的に塩を入れて飲む習慣があるそうです。
 以前、珈琲狂が来店された際にも話題なり、塩を入れる習慣は健康に良いとか、宗教的な側面があるのか聞いたのですが、「美味しいと思って飲んでいる」と言われ、随分驚いたものでした。後で店にある食塩を実際に入れて飲んでみみましたが、とても飲めるようなものではありません。
 そこで、今回は食塩ではなく、塩ソムリエが選んだ世界の塩を使用し、再度挑戦することにします。
エントリーナンバー①
■ひたちなかの藻塩 
ひたちなか市沖合い水深100mから汲み上げた海水を30時間加熱濃縮した海水塩に、北海道長万部産の昆布から抽出したMCM(海洋ミネラル)を加え、ヨード等の海藻成分を強化した塩です。
エントリーナンバー②
■マラス塩田の塩 
インカの首都クスコの郊外世界遺産マチュピチュ遺跡に向かう途中にある標高3200mの高地から湧き出る塩水が山麓一体の塩の棚田をつたい結晶しできたオレンジ色の天日塩です。
エントリーナンバー③
■死海の湖塩
世界で一番低海抜に位置するイスラエルは死海の湖塩水を採取し、じっくりと結晶させて作った純度の高い湖塩です。
エントリーナンバー④
■アンデスの岩塩 
南米はボリビアのアンデス山脈で太古に地殻変動で海底が隆起し、深海水が自然結晶した岩塩です。
エントリーナンバー⑤
■ウユニ島の塩 
アンデス山脈は西山系と東山系の2列に山脈が平行して走る。その中央へ威厳にあるウユニ塩原は、標高約3,700m、南北約100km、東西約250km、面積約12,000kmの広大な塩の塊です。

 

■検証方法

 コーヒーはエチオピアのナチュラルの豆を使用し、手持ちのコーヒーセレモニー用カップが50ccなので、50ccのコーヒー液に塩を1g混ぜて試飲します。

■結果

一言「しょっぱ!」、塩の違いによる美味しさは判別不能です。

 塩を入れるのにスプーンを使用するだろうから、ちょっと少なめで1gの量にしてみましたが、美味しいどころではありません。そのため、再度0.5gで試飲してみましたが、何とか呑み込める程度にはなったものの、やはり不味いです。本当に!

 これは個人的でバカバカしい検証でしたが、塩ソムリエが選んだ美味しい塩と言われるものであっても、コーヒーに塩は美味しくないことが改めて分かりました。事前に美味しい順番をつけるための点数表なんかも作って用意したものの、結局、点数をつけるどころではなかったのです。塩コーヒーを飲むエチオピアの人達に、直接会って聞いてみたいものです。「そのコーヒーは本当に美味しいの?」って。