犬山散歩

 先週来店されたお客様が、「今、犬山が休日になると人が溢れている!」と言われ、いくら城ブームでも、「それは無いでしょ!」と話していました。以前、妻と共に出かけた時には、アジア系外国人の観光客と高齢者が歩いているだけだったので、急には信じられなかったのです。そこで、午後からちょっと足を伸ばして行ってみました。すると、「ホンマや!」って言いたくなるほど、平日にも関わらず多くの人が犬山の城下町を歩いていました。
 元々、城下町のメインストリートとして昔から賑わいを見せた場所で、土産物店や食べ歩きにピッタリな店が並ぶ通りで、古い店舗をのぞきながら、のんびり歩くオススメ・スポットでした。そこに、2012年4月に「昭和横丁」、2016年には「犬山 森のマルシェ」がオープンします。いずれも、城下町の特徴でもある、間口が狭く奥に長い構造で、所謂うなぎの寝床のような建物の中に、「昭和横丁」は15店舗、「犬山 森のマルシェ」は6店舗のジャンルの異なるお店が集まっています。
 城下町の通りを歩く人や複合施設に集まる人々は、以前のような外国人の観光客や高齢者ではなく、若者や家族連れが多いことに驚かされます。その理由は、どうやら先日発表された『2017 ユーキャン新語流行語大賞』の大賞候補30語にも選ばれた、SNS上の言葉『インスタ映え』にピッタリな商品にスポットが当たったからのようです。当然、テレビ番組で取り上げたことが店舗の前に張り出されており、多くの行列になっていました。
 もちろん、並ぶの大嫌いな私は横を通り過ぎるだけですが、「茶処 くらや」の看板商品「恋小町だんご」というカラフルな団子を見て、「団子は醤油に限る。」と思ったり、「ぱんの村」という揚げパンのお店では、「犬山ドッグ」という、犬山の犬とパンに食材を挟んで食べるホットドッグを掛けた揚げパンを見て、「ホットドックにはケチャップとマスタードに限る!」と横目で見るのでした。
 正直、ガラケーの私にはインスタなんて興味ないからと思いながらも、観光地とての犬山には大きな影響力を持つものだと感心しました。今まで来なかった人が来るキッカケになるのだから、多少奇抜な商品や企画であったとしても、現実に人が集まる訳であり、こうした人々が入れ替わり来る観光地であれば、「空前絶後の」集客には貢献しているのかもしれません。
 でも、リピーターが増えるような観光地になるのでしょうか。そんなことを思いながら城下町を後にしたのでした。