芸術の秋を楽しむ?

 日曜日のお祭りでは、慣れない御神輿を引きながら、小さな子供たちと町内を練り歩き、事故も無く無事に役目を終えることができました。片付け作業後には疲れがドッと出て、慰労会も食欲がでません。
 そんな疲れが少し抜けた今日は、祝日ということもあって妻と芸術の秋を楽しむ?というか、運転手というか?一緒に出かけることになりました。先ずは、瑞浪市地域交流センター「ときわ」に向かいます。ここでは、地元の画家や、グラフィックデザイナー、イラストレーターらによる展覧会、「第8回 トライ・アーツ・クラブ展」が、10月2日(月)から10月30日(月)まで行われており、お店に絵を飾っている中山尚子さんも参加していることから、毎年見に行っています。今年のテーマは、「みちのく」で、柳田国男の「遠野物語」や松尾芭蕉の「奥の細道」などを題材にした個性豊かな作品を楽しみました。
 その後に行く所は全て「国際陶磁器フェスティバル」に関わる施設で、フェスティバルの7館共通入場券に含まれており、先週に妻と次女が行っていない残りの施設に行きます。早い話、チケットを買わされたので全て廻ろうという訳です。

①瑞浪市陶磁資料館
 ここは、古代から現代に至る美濃焼の歴史を、時代を追って、歴史性・化学性・創造性の3つのテーマで紹介しています。屋外には、実際に年に数回焼成する登り窯や千本杵搗の大水車などが展示されています。今回は、瑞浪市出身の人間国宝、加藤孝造氏の作品を展示する、特別展『人間国宝 加藤孝造 陶・画の世界』がメインです。
②土岐市美濃陶磁歴史館
 「茶の湯」の歴史を紐解きながら、美濃桃山陶誕生に至るまでの茶陶生産に道のりをたどる、特別展『お茶と美濃焼』を見ますが、来るたびに他の施設と比べて貧弱さを感じてしまい、市内の別施設と合併したらどうかと思います。

③多治見市美濃焼ミュージアム
 初めて行く施設です。ここでは、企画展『荒川豊蔵「三つの喜び」展 -加藤孝造コレクションを中心に-』と題し、日本陶芸史の中でひと際光芒を放つ桃山陶が、瀬戸で焼かれたという定説を覆し、美濃桃山陶の存在を証明し、自ら桃山陶の再現・復興を果たした人間国宝「荒川豊蔵」がテーマです。生涯に三つの喜びがあったとして、昭和5年の美濃における志野古窯の発見、昭和35年の本阿弥光悦筆俵屋宗達画「鶴下絵三十六歌仙和歌巻」の発見入手、そして昭和46年の文化勲章受章を作品とともに展示しています。でも、私には「三つの喜び」を共感するような展示には思えませんでした。
④多治見市モザイクタイルミュージアム
 今回、特別展『工場賛歌~釉薬編』となっていますが、2016年に実施された特別展「工場賛歌~原料編」を引き継いたもので、タイルの色彩、釉薬に注目する展覧会です。製造工程、素材、タイルならではの特徴などを、写真や古い道具、テストピースなどを用いて展示しています。お客様に釉薬の専門家もいるため、もし見ていたら感想を聞いてみたいものです。でも、ここの特徴は、やはり建物につきます。超個性的な外観であるデザインは、建築家の藤森照伸氏の手によるもので、これだけでも一度は見る価値ありです。

 7館全てを廻る理由には別の目的があり、スタンプラリーで記念品がもらえるからです。実は妻はこれが主目的で、どうやら芸術の秋を楽しむというのは口実だったかもしれません。もらった記念品は、地元下石町の窯元『カネコ小兵製陶所』の「ぎやまん」デザインのお茶碗です。妻は期待以上の品物に大喜びした。