中山道ハイク 馬籠宿~妻籠宿

 先月の特定検診で予想通りBMI数値が高く、家族から批判を浴びる結果となりました。そんな経緯を踏まえて今日の受診で医師から、「奥さんが美味しい料理を作るから仕方ないですよね。」と慰めてもらいましたが、現実はそれほど甘くないので少しばかり運動しようと、店の本棚にある「日帰りらくらくハイキング」を見つけて、馬籠宿から馬籠宿までの中山道自然歩道を歩くことにしました。
 車でとりあえず妻籠宿まで向かい、駐車場に車を置いて路線バスでスタート地点の馬籠宿まで移動します。ガイドブックには「全長9Km、ゆっくり3時間かけて歩いてみましょう。」とありますが、宿場町の端から端までの距離を示しており、自然歩道の各所に表示れている矢印の距離は宿場町の入口までの距離となるため、7.7km先と短く表示されると意外と頑張れるものです。それに、馬籠~馬籠峠は急な短い坂で、妻籠~馬籠峠はゆるやかな長い坂のため、馬籠から妻籠へ歩けば途中から下り坂だけになるから楽だと考え、このコースにしてみました。実際は妻籠宿から馬籠宿へ歩く人のほうが多かったように思います。

 路線バスで馬籠宿まで到着すると、バスを降りて宿場町を登り始めます。途中、ガイドブックには必ず登場する水車小屋や、みたらり団子、五平餅、お焼きにも目もくれないで歩き進めます。なぜなら、今回は運動(ダイエット)が目的のため、食欲を抑えて歩きに専念しなければなりません。

 途中にある観光案内所に立ち寄り、案内地図をもらって「妻籠宿までどのくらいかかりますか?」と尋ねると、「8kmで2時間半ですね。」とのこと。ガイドブックの3時間より早く着けるならいいかと思いながら、ひたすら勾配のある坂をも登り進めます。

 坂道を歩き続けると、額から滝のように汗が流れます。毛髪が汗を吸収できないので直接流れる、所謂、伐採された山肌に大雨が振って土砂崩れが起きたような感じです。地面に落ちる汗をタオルで拭いながら、なんとか県境の峠まで登りました。馬篭宿が平成の市町村合併で長野県山口村から中津川市へ編入されたため、昔にはなかった県境が生まれたのです。そんなことを考えながら、頂上にある峠の茶屋で一休みです。既に休憩中だった人がラムネを飲んでいたので、私もラムネを注文しゆっくりと椅子に腰を下ろしました。

 ラムネを飲みながら店主の女性と話をすると、中山道自然歩道をハイキングする人の多くは外国の方で、日本人は10人に1人くらいだとか。確かに峠まで歩いてくる間にすれ違った人は外国の方ばかりでした。そして、全て欧米の人のように見え、アジア系の人は見かけません。確かに、馬籠宿や妻籠宿のお土産屋や団子屋には、「drink」などの英語表記が目立っていたし、観光名所には英語による説明書きもありました。

 でも、気になったのは、中山道の道路標識には英語が併記されていないので、自然歩道から外れてアスファルトの道路を歩く人を何度も見たことです。意図的に車道を歩いているとは思えないので、林間コースになっている入口を見落としてしまっているのでしょう。車道は危険だし、せっかくの自然歩道を歩かないのはもったいないと思ってしまいます。

 中山道自然歩道を歩く途中には、何箇所もクマよけ鐘が設置されています。歩いていると自分の進む前後で鐘が鳴るので、一応念のためにと鳴らしてみます。「カラン~!カラン~!」今のところはクマの心配はしなくてよいとのことですが、秋が深まる頃には観光案内所でベルを貸し出すそすです。出発場所の観桜案内所で1,200円で貸出し、到着先の観光案内所へ返すと戻ってくる仕組みのようです。

 峠から下る頃には林の中を歩くので涼しくなります。ただ、石畳の上を歩くことになるので、クッション性のある靴でないと足を痛めそうです。石畳って風情はあるものの、歩くには不安定で捻挫しそうになるし、意外にやっかいな道なのです。

 歩く途中の標識を見ながら、「あと何キロだ!」と言い聞かせながら歩きましたが、一人で歩くのはつまらないものです。やっぱり、つれあいが居たほうが良いので、次回は妻と二人でハイキングに出かけようと思います。たとえ喧嘩をしながらでも、一人黙々と歩くのはシンドイものです。ただ、歩くのに専念したためか、2時間弱で歩き終えることができましたメリットはありましたがね。

 実は、今回の妻籠宿から馬籠宿までのハイキングは2回目となります。高校生の時に学校の授業(遠足かな?)で歩いたことがあるので、40数年ぶりのハイキングになりました。それぞれの宿場へは自宅から1時間ちょっとで行けるため、度々遊びに行ってはいましたが、今回のように中山道を8km程歩くことはしませんでした。歩きながら高校生の頃を思い出してみるのですが、どこをどう歩いたのか記憶にありません。それだけ遠い過去なのかもしれません。ふと、年を取ったと感じたものです。