大須ブラ散歩

 今日は土岐市保健センターで胃がん検診でした。毎回不味いバリウムを飲み、レトゲン車の機械の上をクルクル回る検診に、相変わらず進歩がないことにがっかりしながら、「必ずしなさいよ!」と妻に言われて受診するのでした。

 毎回バリウムの排出には苦労するため、今回は店内しか歩かない体を動かすことと、バリウムを下へ揺らして落とすため、久しぶりに大須商店街をブラリ散歩することにしたのです。というか、松屋コーヒー本店へ行くついでに大須の商店街を歩いて運動しようというのが本当の理由です。

 大須の歴史は今から約400年前までさかのぼります。名古屋城が築城された1610年から2年後の1612年、岐阜羽島の大須観音が移転してきたことから、この界隈は「大須」と呼ばれるようになりました。以来、大須観音から通りが延びる大須商店街は門前町として大いに栄えます。大須近辺は「芸どころ尾張名古屋」の文化・芸能の中心地で、江戸時代から芝居小屋、見せ物小屋、遊郭などがひしめく盛り場だったそうで、今では大須演芸場が何とか残っている状態です。10年ほど前まで大須演芸場で行われた、ロック歌舞伎スーパー一座の上演する「大須オペラ」を毎年妻と一緒に見に来ていました。

 そんなことを考えながら、昔と比べて綺麗になった大須演芸場を見た後に、東仁王門通りを歩いていると、際立って陽気なお店があります。いかにもブラジルらしさを感じる元気な緑色の看板の「オッソ・ブラジル」です。道にはみ出るコカコーラの椅子、ロースターでは豪快に鶏の丸焼きが焼かれていて、この一画だけが南米の街角のようです。

 日本人スタッフがいないので店内の様子を見ていると、自動券売機で食券を買う仕組みだと分かり、平日限定のランチを注文しました。ここは鶏の丸焼きがメインなのですが、一人で食べるには多すぎるので、丸焼きの一部をカットしたプレートランチがちょうどいいのです。
食券を渡すと、スタッフが専用の焼機でじっくり時間をかけて焼き上げた丸焼きを手早くカットしています。一晩タレに漬け込んだ生鶏と焼き上がった鶏とでは、油分が減り35%以上小さくなっているそうで、意外とあっさりした味付けになっています。

 そのオッソブラジルから少し歩いていると、「チチカカ」という雑貨屋がありました。中南米の衣料、アクセサリ、雑貨が充実してます。日本人スタッフなので、店の奥にある中南米の置物を見ながら異国情緒を味わうことができ、奇妙な人形やお面のような飾り物、南米らしいデザインの小物が目を引きました。

 大須商店街には世界各国のグルメを楽しむことができます、インド、台湾、トルコ、中国、イタリア、次回は何を食べてみようか迷ってしまいます。そんな独特な看板の商店を見ながらたどり着いたのが、最終目的地の「松屋コーヒー本店」です。一年以上も来ていなかったので何だか懐かしい気分で店内に入り、松屋式の金枠と雑貨を購入し、カフェ・ルパンで「ブラジル松屋スペシャル」の注文します。

 ブラジル松屋スペシャルを飲みながら、大須商店街の地図を眺めて歩いた道のりを確認し、今日の「大須ブラ散歩」は終了しました。あ~美味しい!