夕涼み焙煎体験会

 昨年は日曜日の午後7時から9時まで開催する「夏の夜長の焙煎体験会」でしたが、今回は夕方5時から7時までという、「夕涼み焙煎体験会」としました。夜の方が時間が作れると午後7時開始としたものの、夜にコーヒーを飲むと眠れなくなるといった意見や、夕食の時間帯と重なるからという声を聞き、午後7時までに終了するスケジュールに変更したのでした。

 前回は焙煎する豆を3種類に限定しましたが、今回は希望する豆にしてもらい、エチオピアとコスタリカの豆で挑戦してもらいます。コーヒー豆の基本的な知識と簡単なクイズを行った後、焙煎機の操作方法を繰り返し練習してもらい、排気を固定して、ガス圧の調整をしながら温度計とタイマーで焙煎の進み方を管理してもらいます。

 バインダーに固定した焙煎プロファイルに、参加者が1分ごとに声を掛け合って記録し、温度変化を気にしながら焙煎途中の豆の色を確認します。1ハゼの音の始まりを感じ、「パチパチ」から2ハゼの「ピチピチ」の音と聞き分けながら取り出す人、2ハゼ前に取り出して煎り止めする人と違いがあるものの、色と香りを楽しみなが満足そうに煎りたてのコーヒーを飲み、記念のコーヒー豆をお持ち帰りいただきました。

 お客様が業務用の焙煎機を体験で使用する機会はまずありません。プロになる訳でもないのに業務用焙煎機に触れてもらう理由は、スーパーの店頭に並ぶ工場で作られる製品との違いを肌で感じ取ってもらうことです。コーヒー豆にどれだけの時間をかけ、焙煎後に手作業で欠点豆を取り除き、袋詰めされて手元に届いた豆の存在と価値を知ってもたった答えが、「大事にコーヒー1杯飲まなきゃネ。」って言葉になって表れたと思います。

 そんな地味な行為を地元でコツコツと続けることに意味を感じ、「また、やってみようかな。」って後片付けをするのでした。