手話で繋がる

 私が地元の手話サークルに加入しており、幽霊会員の期間を含めてサークル活動に長く関わっていることから、手話サークルの関係者や聾者が利用されることがあります。

 今日は、そんなこともあってか、「手話が出来る店」を探しに、愛知県一宮市から一人の男性聾者が訪ねてきました。彼の名前は「桜井 強(さくらい つよし)」さんといい、「強(つよし)」といっても強面の感じは微塵もなく、真面目なサラリーマンといった雰囲気の人です。色々話を聞くと、「手話のできる店を紹介するための動画を作成し、フェイスブックにアップしたい。」ということらしく、過去に取り上げた京都の喫茶店を紹介している動画を見せてくれました。

 来店の意図が分かったので快く引き受け、お店が空いてきた時間を見計らってインタビュー形式の撮影を終え、彼と色んな話をするのですが、一番強く感じたことは、これまで多くの聾者と話をしてきた中では一番聞き上手だったことです。手話を使って会話をしているのですが、彼が聾者であることを忘れてしまうような自然な会話ができ、なおかつ相手の話をきちんと聴く感覚と言うか、会話の間のようなものがありました。これは、彼が小・中・高と普通校でのインテグレーション(統合教育)があるからだと思ったしだいです。

 手話サークルに関っているおかげで、手話で繋がる出会いが生まれました。彼のフェイスブックに好きな言葉として「一期一会」を挙げていますが、一度の出会いだけで終わるかもしれませんが、彼から始まる出会いから、また新しい出会いが生まれそうな気がします。