終わらない 3.11

 午後2時過ぎに、お店の裏に設置された広報のスピーカーから、東日本大震災の犠牲者への黙とうを促す放送が流れました。私も時計を確かめながら、2時46分頃に僅かな時間でしたが目を閉じたのでした。娘が青森の大学にいた時から、早くも6年が経過したのです。

 阪神淡路大震災の時も衝撃を受けましたが、神戸の様子は大災害を想像させないほど復興しています。けれど、東北を襲った災害は時間が止まってしまっているかのようです。都市部と地方という違いもあることながら、その規模の大きさと未だに解決のめども立っていない福島第一原発の存在があるからです。

 政府主催の追悼式で安倍首相は、「復興は新たな段階に入りつつある」と言っていましたが、どこが新たな段階なのか?と首を傾げてしまいます。原発事故に伴う非難指示が解除されても全村民が戻る訳でもなく、原発の周辺に多量の汚水が貯められたグーグルアースの景色を見れば、「終わらない3.11」となることが容易に理解できます。この景色は私が生きている間には無くならないのだろうと思うと、東北に住む人達の苦しみを少しでも共有できるのではと、勝手に思ってみるのです。

 自分に出来ることは何だろうと自問自答しながら、今年も3.11迎えたのでした。