鴛鴦茶(えんおうちゃ)

 正月休みの期間中に食べ過ぎたせいで、体重が予想以上に増えてしまいました。胃腸を休めるための七草粥も、今朝の鏡開きのぜんざいで帳消しになりそうな気配です。気持ちを取り直して鴛鴦茶でも作って飲んでみます。

 鴛鴦茶(えんおうちゃ)は「珈琲屋タレーランの事件簿5」で登場した、イーグルコーヒーの店主が世界旅行の際に飲んだコーヒーを再現し、店のメニューとして提供しているものでした。紅茶とコーヒーを合わせ、砂糖と無糖練乳を入れて飲むもので、香港で飲まれているものだそうです。 

 香港は1997年に中国へ返還されるまでイギリスの統治下であったため、コーヒーより紅茶の飲用習慣があったので、この鴛鴦茶も香港で飲まれた歴史はまだ浅いようです。紅茶とコーヒーの割合や、砂糖と無糖練乳を使わず加糖練乳を使ったり、お店や家庭での個性があり、ホットとアイスで飲まれているます。個人的にはアイスの方が飲みやすく美味しく感じました。

 「鴛鴦」とはオシドリのこと。まるでおしどり夫婦のように、コーヒーと紅茶が仲良く寄り添っていることが、その名の由来だそうですが、「鴛鴦」とつくものは他にもあり、夫婦二人がそろって使える長い枕を「鴛鴦枕」、二種類のスープで食べることができる仕切りのある鍋料理は「鴛鴦火鍋」、アイスクリームの2種盛りを「鴛鴦雪糕」と呼んだりするそうです。

 ちなみに、日本でも日本たばこ産業が2012年に「ルーツエクスプローラー テ・マリアージュ」として、紅茶とコーヒーが結婚(マリアージュ)という広告コピーで販売し、後追いするように日本コカコーラ㈱が発売したのが「ジョージアクロス UK-STYLE」でした。紅茶をダージリンティにこだわることで差別化したようです。しかし、いずれも中身は「鴛鴦茶」とほぼ同じなのに、缶コーヒーとして販売しましたが長続きしなかった。

 オシドリが冬ごとに毎年パートナーを変えるように、缶コーヒーも長続きする商品は少ないのかもしれません。