珈琲店タレーランの事件簿5

 昨年末の新聞広告で「珈琲店タレーランの事件簿5」が掲載されたのを妻が見て、「今回のは未だ買ってないの?」と言うので、正月休みの期間中にでも読もうかとAmazonで注文をしました。

 実は、11月には出版されていることを知っていたのですが、第3巻・第4巻とつまらなくなり、コーヒーから外れて枝葉ばかりの登場人物とこじつけた謎解きで、あまり期待していなかったため、この第5巻を購入することに躊躇していたのです。

 そんな時に妻から背中を押されたため、購入したのですが、正月休みの間は妻が本を占有していたため、実際に読むことができたのは今日になってしまい、冷たい雨の降る来店数の少ない日に読むにはもってこいの本となりました。

 第5巻は、アオヤマの中学生時代の淡い想いが明かされるところから始まります。当時の想い人である眞子さんとの再会から物語は動き出し、彼が理想のコーヒーを探すきっかけからストーリーが展開するのですが、何だか作者が源氏物語にこじつけて無理やり話が進む感じが伝わり、美里の謎解きも違和感を覚えるのでした。

 何だかな~?全体を通して感じる不自然さは、よくよく考えてみると「ゲス不倫」に代表される、昨年の流行語大賞にもノミネートされた「不倫」ばかりで繋がっているからでした。よくも最初から最後まで不倫で引っ張ったものです。源氏物語もゲス不倫と同等に扱われてしまってはどうかと思いますが、人間は時代が変わっても同じだということなのでしょうかね。

 そんな事を思いながら、サブタイトルにも使われた「鴛鴦茶」を淹れて飲んでみましたが、紅茶花伝と缶コーヒーを混ぜたような微妙な味です。「鴛鴦」とはオシドリのことで、仲の良い夫婦のことを「おしどり夫婦」と呼びますが、鳥類のオシドリの方は毎冬パートナーを変えるんだとか。どこまでも不倫にくっ付いた本なのでありました。

 『この鴛鴦茶は おいしくなりませんでした』