まめにハンドピック

 朝に焙煎したコーヒー豆をカウンターの隅でハンドピックしていると、お客様が帰り際に覗いて、「面倒な事やるんですね!」と、驚かれてしまいました。「多くの自家焙煎店がやっていることで、普通のことをやるだけですよ。」と答えましたが、「まめやね~。」って言われちゃいました。けれど、まめにハンドピックするのは特別なことじゃなく、良いものを正直に届けたいだけなんです。

 そんな会話をしながら思い出したのが、札幌市内に3店舗の自家焙煎店を経営している、丸美珈琲店のオーナーである後藤栄二郎さんの話です。後藤さんはバリスタ大会を見学した時に、面白い司会者だな~と思った人で、よくよく調べてみると

2009年のドイツ開催「ワールド・カップテイスターチャンピオンシップ」で世界第3位、「ジャパンコーヒーロースティングチャンピオンシップ2013」で優勝といった経歴の持ち主でした。

 後藤さんの話は、札幌の著名人を紹介するサイトで知ったのですが、概要は次のようなものでした。

『丸美帽子店を経営する祖父と、ペケレット湖園のジンギスカン店を営む父に憧れ、小学生の頃から夢は「社長になること」だったという一風変わった少年で、大学卒業後、様々な業界の創業者に話を聞き珈琲専門店の可否茶館へ就職します。特に珈琲好きだった訳ではなく、ビジネスとして飛び込んだこの業界でしたが、きちんと人に勧められるようなるため珈琲の猛勉強を始め、現在に至ったそうです。ただ、商売の基本理念は祖父からの影響が大きんだとか。

 嘘のない商売、まっすぐな商売、商品は良いものを取り揃える、それは、お客様に対して正しいものを出す、また、取引先に対しても信頼を得られるようなやり方をすること。商売を中心として、関わる人や物、そして従業員も含め、きちんと生活できることが成り立って商売が続けられるということを実践していた祖父の影響を受け、商売において一番重要なことは、商品、お客様、取引先、いずれに対しても絶対的に信頼を得られる、本当に良い物を、そして正しい行為が商売には不可欠だと子供のころから聞かされていた。』というものでした。

 まめ蔵の「まめ」にも同じような想いが込められています。真面目にコツコツと行うことは、意識することなく自然にできるような店にしたいと日々努めているつもりです。その一つが「まめにハンドピック」ってことです。

 ちなみに、その後藤栄二郎さんの焙煎セミナーが神戸で開催されるので、来週の月曜日に出かける予定です。