ドリップバッグコーヒー

 今日来店された知人から、「ドリップバッグコーヒーの美味し淹れ方を教えて欲しい。」といって、ドリップバッグの入った箱を渡されました。「う~ん。ドリップバッグは手軽だけど、所詮ドリップバッグのコーヒーだよ!」といったものの、どんなコーヒーなのか確かめることにしたのです。

 まめ蔵でも、お客様から依頼があった時のためにドリップバッグを作れるようにしてはいますが、積極的に作って販売してはいません。色々な理由があるのですが、一番は味が落ちてしまうからです。豆をあらかじめ挽いてしまうのに、いつ飲まれるか分からないことや、フィルターの構造上、短時間でお湯が落ちるので、細挽きで雑味が出やすいことなどがあるからです。また、ドリップバッグ本体やパッケージの価格を考えると、販売されている商品に使用されている豆の品質が分かってしまい、自分の持っているイメージが悪いこともあります。

 ちなみに、渡されたドリップバッグは縦長の構造で、まめ蔵で使用している横長の物と比べると、注湯時にドリップバッグの多くがコーヒー液に浸かってしまい、雑味が出やすいものでした。また、細挽きの8gのコーヒーは一般的なドリップバッグコーヒーと同じで、コーヒーの成分が一気に出てしまうため、高温のお湯を使ったりすれば苦いだけのコーヒーになりやすいのです。

 そんな事を思いながら、少しでも美味しく飲めないかと試行錯誤してみます。一般的な淹れ方、ポットから直接ドボドボと淹れてみる、注湯温度を4段階に別けて淹れてみる、松屋式っぽく蒸らし時間を長くし、濃いコーヒー液にお湯を加えるなど、その中で何とかいけそうだったのが湯温を80度で淹れたものでした。気づいてみると10袋も使って、少々もったいない感じがします。

 このドリップバッグの袋を取り出す時に、入っていた箱には宣伝文句が書いてありました。『5つ星のプレミアム・グルメ・スペシャリティーの評価を獲得した、上位1%の世界で最も質の高い高級豆を使用しています。』・・・!!思わずツッコミが入ってしまう。 コーヒーに星幾つってのはないし、プレミアムコーヒー
は、SCAJ、COEカップ評価76点以上(カップ評価項目において全項目が5点以上)のことだし、グルメコーヒーは、ITC(国連)の基金とICO(国際コーヒー機構)の協力し、コーヒー生産国が高品質なコーヒーを生産するため、1997年からその土地に合った在来種を栽培して、生産国の経済的自立を促進するために進められた国際プロジェクトのコーヒーのことだし、スペシャルティコーヒーは、SCAJ、COEカップ評価80点以上(カップ評価項目において4項目以上が6点以上)(※他にも色々あるのですが)って、何でもかんでも良さげな言葉をつないで、どうなのって思ってしまいます。

 やっぱり、ドリップバッグはドリップバッグなのです。