「君の名は」

 岐阜県を町を舞台にしたアニメ映画がいくつか上映されており、飛騨市を舞台にした「君の名は」、大垣市を題材にした「聾の形」のいずれかを見たいと思っていたところ、妻が「君の名は」を見たいといういので出かけてきました。

 「君の名は」は評判もよく、飛騨市を舞台にしていることもあって、地元ローカルテレビ局でも取り上げるなど、飛騨古川駅や廃線になったバス停、飛騨市図書館に多くの人が訪れるなど、聖地巡礼の地となっているそうだ。私には全く理解不能なのですが。

 ストーリーの方は軽やかに且つ大胆に進んでいき、まったく飽きさせません。都会と田舎の対比、彗星、神社のこと、先輩との恋愛要素も上手く織り成して、結果として全てが伏線となっていくあたりは、組紐を紡いでいく感じがして心地よかった。

 ところが、タイムスリップ的な要素が突然登場してから時間軸までおかしくなり、何だかそこらへんから引いて見てしまっていました。これが年寄りになった証拠なのかもしれませんが、ありえない話であっても何か共感できる接点が、急に削がれていくような気分になります。若い頃だったらストーリーに没入して入り込むところですが、ついて行けない自分に思わず年齢を感じるのでした。

 けれど、新海監督の作品は相変わらず綺麗です。都会の風景も田舎の風景も、リアルなんだけど、どこか現実ではない夢の空間って感じがする。