ハニー・プロセス

 「ハニー」という言葉で連想するのは、「キューティー・ハニー」で、次に「はちみつ」かな。 英語では「はちみつ」、「甘いもの」の意味で、愛しい人への呼びかけにも使われ、女性から男性へなら「あなた」、逆なら「君」ってな具合いです。(使ったことはありませんが)

 今回の場合は、「ハニー・プロセス」であり、もちろんコーヒーに関わる呼び方です。コーヒーはその土壌、気候、日当たり、収穫時期、品種、精製、保管等上げたらキリがない程多様な影響を受けます。コーヒー産地では品質を上げる為、その一つ一つの要素を変化させながら、一杯のコーヒーをどう完成させていくか工夫が行われているのです。

 コーヒー豆の精製プロセスでは、果肉のついたまま乾燥させるものを「ナチュラル」、果肉を剥がして粘液質を除去するものを「ウォッシュト」と呼びますが、その両者の中間の生産処理が、「パルプトナチュラル」です。コスタリカでは、この

「パルプドナチュラル」のことを「ハニー・プロセス」と言うのです。

 そして、コスタリカで行われているハニーには、果肉の層の厚さを重要視され、その層が厚い程甘さがあるコーヒー豆が出来るんだそうです。厚さを判別する機械があるので(糖度計とかいってました)、それで判別し、その果肉を残したまま乾燥させるとハニーとなります。

 さらに、いくつもの種類に細分化されており、ホワイト・ハニー、イエロー・ハニー、レッド・ハニー、ブラック・ハニー、ゴールド・ハニー、それぞれ果肉の残す割合と、乾燥時間、や温度管理を徹底して管理しています。乾燥させる工程で頻繁に撹拌して均一に乾燥させたり、直射日光を避けて黒い幕で日陰を作ったり、高地の低い気温の中で長時間乾燥させるなど、条件を細かくすることで特徴あるコーヒー作りが行われています。

 こうした多様なプロセスを行っているのがコスタリカコーヒーの特徴であり、多様性のある品種とプロセスを可能にしているのが、マイクロミルといわれる比較的規模の小さい精製場を持つ農園が多数あるからです。

 今年のコスタリカCOE上位5つの中で、プロセスがレッド・ハニーが3つ占めているいることを見ても、品質向上に大きな影響を与えていることが良く理解できます。

 そうなると、レッド・ハニーを飲んでみたくなるというものです。COEでなくてもレッド・ハニーの豆は高いので、これまで手をこまねいていました。売れ残ても困るし、でも飲んでみたい!