等級

 先日、思い切って夕張メロンを買ってしまいました。いつも作っているロールケーキに使用してみようと、手頃な値段だったこともあって、原価計算も考えずレジに出したのでした。「夕張メロンのロールケーキ」いい響きじゃないか~!ただ、それだけのためにです。

 メロンには夕張メロンのブランドを示すシールが貼ってあります。北海道の形に「共選」と書いたよく見かけるものですが、他にも楕円形にシールに「個選」と書いたものも見たことがるので、チョットその違いを調べるみることに。

 夕張メロンはそのブランドを守るため、夕張市農協のメロンのプロの方が厳しい基準で選果された物のみに「共撰」シールを貼っています。特秀品:糖度13保証、秀品:糖度12保証、優品:糖度11保証、良品:糖度10保証の4等級に分類されており、共選規格に満たなかったものが「個選」の夕張メロンとして流通しているようです。

 日本の農産物がそうであるように、形や網目の見た目の他、糖度も計測して消費者が安心して選択して購入できる仕組みがあります。実に日本らしい消費者に分かりやすい取り組みです。ところがコーヒー豆はというと、だいぶ様子が違います。

 例えば、ブラジル:主に欠点豆の数によってNo.2~No.8区分されたり、スクリーンサイズ(大きさ)分けられる。コロンビア:主にクリーンサイズ(大きさ)分けられ、プレミアム・スプレモ・エクストラなどに分類される。グアテマラやコスタリカ:産地の高度により分けられる。というように、味覚による選別というより、見た目の善し悪しや標高の高い産地は良い豆が取れるという価値観だけで評価されているのが一般的です。そんな理由もあって、カップ・オブ・エクセレンス(COE)が味覚評価の物差しとしてもてはやされている現状があるのです。

 等級ってのは、誰がどのような目的で選ぶかによって変わります。とにかく安く夕張メロンのブランドを楽しみたいのなら「個選」を買うだろうし、カップ・オブ・エクセレンス(COE)の点数に少し届かなくても、それに近い品質がお値打ちに飲めるなら、私はそちらを選ぶと思います。