マリアージュと食べ合わせ

 お店では、コーヒーに私が作ったクッキーなどを添えています。今回は、抹茶チョコのクッキーとレーズンのビスコッティでしたが、その時々で作った来店者用のクッキーを出しているのです。このように、コーヒーを飲む際には様々なお菓子も楽しまれますが、そのベストマッチな物をマリアージュと言ったりします。

 マリアージュとは、フランス語で一般的に「結婚」のことを意味しますが、フランス人はしばしば、もともと二つで別々だった存在があたかも一つの存在のように調和した状態になることを、詩的に「mariage マリアージュ」と言うそうです。また、ワインの世界では日常的に使われている言葉ですね。ワインと食べ物を一緒に飲食して相乗効果を生む現象のことで、何千、何万という出会いの中でたった一人の伴侶を選ぶ結婚になぞらえて使われている言葉して使われます。
 そうなると、コーヒーのマリアジュは無限にあることになり、洋菓子に限らず和菓子との組み合わせも相乗効果を高める食材になります。実際、家では饅頭や煎餅を食べながら飲んだりもします。コーヒーのマリアージュには豆の種類や焙煎度合、淹れ方等により変わるため具体的な事は言えませんが、健康に良い食べ合わせという点では、コーヒーに合う食べ物があるかもしれません。 

 コーヒーには1000種類以上の成分があるといわれていますが、主な成分は紅茶と同じくカフェインとタンニンです。タンニンは渋みの成分でポリフェノールの仲間なのですが、ポリフェノールは強い抗酸化力を持っており、老化やガンの原因になる活性酸素を無毒化し血管や細胞の老化を抑えるほか、過酸化脂質の生成を抑え動脈硬化など生活習慣病の予防に効果があるといわれています。

 具体的には

■一緒に食べるとよい食材と期待できる効果■
○イチゴ、キーウィフルーツ、パパイヤ:疲労回復、整腸作用
○ブドウ、柿、栗、卵:ガン予防、老化防止
○スイカ、うり、バナナ:利尿作用、腎臓病の予防
○ショウガ、唐辛子、ワサビ、ミント:目覚めをよくする、血行促進

そうなると、フルーツを使ったお菓子と相性が良いようですね。

 逆に、コーヒーと一緒に摂取してはいけないものを調べてみると次のようなものがありました。
■薬やサプリメント
 薬やサプリメントとコーヒーを一緒に飲むと、せっかくの栄養がカフェインとくっついてしまい、栄養効果がないまま体外へ排出されてしまうので避けた方がいいそうです。
■鉄分を多く含む食材、プルーン、ひじき、レバー、ほうれん草
 タンニンが鉄分を多く含む食材と一緒に摂取すると、鉄の吸収を強く阻害します。そのため、鉄と結びついたタンニンはタンニン鉄となり、水に溶けにくくなるので、腸での吸収が妨げられるんだとか。

 今日、コーヒーに添えた物の中では、レーズンのビスコッティが食べ合わせとしては良いみたいです。そんなことも話し合いながらコーヒータイムを楽しむのもいいんじゃないでしょうか。