コマーシャル・ムービー?

 定休日の今日は、朝からコーヒーの焙煎とプリンやケーキの準備をし、午前中に明日からの買い物を済ませました。午後からは、以前から気になっていた映画の『A Film About Coffee ア・フィルム・アバウト・コーヒー』を見るため、電車を乗り継いで名古屋まで出かけたのです。

 「究極のコーヒー」とは何か?コーヒーに人生をかけるプロフェッショナル達の熱い仕事ぶりと哲学を追う世界を席巻するコーヒーカルチャーの"今"を描いたドキュメンタリー。とういのが謳い文句なのですが、コーマーシャル・ムービーって感じでした。

 タイトルを直訳すれば、「コーヒーについての映画」ですが、内容はスペシャリティー・コーヒーのプローモンションだらけで、「コモディティーコーヒーなんか飲まないで、スペシャリティー・コーヒーを選択して飲みなさい!」って連呼してます。スペシャリティー・コーヒーは浅煎りが一番だの、産地を大切にしているなど、水洗式でないのは良いコーヒーじゃないなど、スペシャリティーなら必ず美味しいと言わんばかりの映像が流れています。事前に悪評は目にしていたのですが、自分の目と耳で確かめたかったので納得しながら見ていました。

 この映画に興味を持ったのは、コーヒー産地であるルワンダの映像がPRビデオに流れていたので、どのような内容なの知りたかったからです。昨年の産地セミナーで、現地で活動している青年海外協力隊のメンバーからの報告を聞き、映像としての産地の状況を見たかったのですが、現地の声よりもアメリカのバイヤーばかり目立つ内容でした。

 スペシャリティー・コーヒーの定義も曖昧なまま、その言葉だけが独り歩きして商売道具になっていくのが気になります。この辺の地域では、まだまだ「スペシャリティー・コーヒー」という言葉は浸透していませんので、言葉に踊らされる人は少ないというのが救いかもしれません。