ゲイシャを飲む

 お客様から、パナマにあるエスメラルダ農園のゲイシャをいただきました。いわゆる「パナマ エスメラルダ スペシャル」といわれる最高級品の豆で、100gが3,500円以上で販売されているような高級豆です。頂いたのが50gなので、これだけでも結構なお値段になります。

 早速一杯頂いた後、残りを持ち帰って妻と共に再度楽しみました。妻の感想は、「苦くなく、コーヒーじゃないみたい。酸味があるけど、浅煎りの酸味と比べて飲みやすく、紅茶のような感じがする。」との感想。確かに、目を閉じて飲むとコーヒーだと思えない飲み物ですね。ゲイシャ独特のフレーバーがあります。私は何度か飲んでいるのですが、毎回不思議な気分と同時に、毎日飲みたいと思うコーヒーではないな~というのが正直な気持ちです。特別なコーヒーには違いありませんが、価格に見合うコーヒーとは未だに思えないのです。

 パナマでは「ベスト・オブ・パナマ」という世界最高峰のコーヒー品評会が行われていますが、2004年の品評会にエスメラルダ農園のゲイシャが出品されると4年連続で優勝し、あまりの快進撃によって、2008年からは『ベスト・オブ・パナマ』から部門の特別枠として「エスメラルダ スペシャル」という農園独自のオークションが開催されるようになりました。そして、とんでもなく高い取引が行われ続けているんです。そこに、日本の商社や珈琲屋の思惑とエスメラルダ農園の商魂が絡み合って、現在も人気商品として君臨しています。

 このエスメラルダ農園の高値によって、ゲイシャ種という品種はパナマの農園に一気に広まり、周辺農園の豆も高値がつくようになりました。そして、ゲイシャは儲かるというので、コスタリカやコロンビア等、中南米をはじめとする様々な産地で栽培されるようになったのですが、やはりこの農園ほどの素晴らしいフレーバーを持つコーヒーは出てきていないようです。何だか、かつてのブルーマウンテンのようです。