コーヒーの楽しみ方

 昨日の閉店まじかに来店された方が、会計前に「浅煎りのコーヒー豆をください」と声を掛けられました。「浅煎りのコーヒーがお好きですか?」と尋ねると、「いえテレビで抗酸化作用があるとかで・・・」との答え。なるほど、NHKの朝の人気番組か!その番組に出演されて方のブログによれば、取材時間は4時間かけて浅煎りから深煎りまで説明されたそうですが、使われたものは浅煎りのみの数分だとか、ブログの内容を読むと本人も困惑されている様子です。だって、深煎りが特徴のお店に浅煎りばかり注文されてもね。

 コーヒー豆を購入したいと言われたお客様には、煎り具合によって味がどのように変化してくのかを説明したところ、ブレンドをお求めになりました。最後に「だって美味しく飲みたいものね。」と言われたので、「だって嗜好品ですから。」とお答えしておきました。

 コーヒーの楽しみ方に薬効を求めるなんて、正直ナンセンスだと思っています。色々な効用が言われるようになったのは今に始まった訳ではありませんが、〇〇研究所、〇〇センターなどの公的機関のような所が情報発信すると、マスコミはネタになると思って取り上げます。だって、それが商売ですからね。コーヒー屋だって儲かればいいわけですから、そうした記事を店内に貼ってある店も存在します。でも、数百年間飲み続けられているコーヒーに害があるとは思えませんし、そもそも美味しいから飲まれているのだと思います。

 コーヒーの楽しみ方は、カップに注がれるまでに長い旅をしてきた時間と、世界各地の産地を想像したり、誰とどんな会話で楽しむか、どんな場所で楽しむかってことの方が大切なんじゃないでしょうか。カップに注ぐ量は概ね120cc~150ccです。温かい状態で飲めばたった数分の出来事だからこそ、その前後の時間やシュチエーションに意味があるんだと思います。楽しい会話があれば美味しさも増しますし、グチや悪口ばかり言っていると苦さが増すんじゃないでしょうか?(ちょっと言い過ぎたかナ?)