Cafe'ドアーズと秘密のノート(2)

 「Cafe’ドアーズと秘密のノート」には11項目のカフェ・セオリーがあるのですが、書斎の壁には、その11項目を書いた紙を張り付けて、毎日見るように心がけています。たかが本の世界だと思われるかもしれませんが、35年間のサラリーマン時代にも十分通ずる内容であり、ゼロからスタートした自分にとって、充分刺激になるものでした。

 カフェ・セオリーの10番目を説明している時に、マスター・ブランカはこう言います。「最高の店とは何か。それは、一番の売り上げを目指す店のことではない。何度も買いに来る客が何人もいる店じゃ。それが、エリートではない石ころの、チンケなクズ野郎にもできる、店造りのやりかたじゃ。」「人間には支えてくれる人がいる。自分がアクションをお越し、動き続けていれば、自分を支えてくれる人が必ずいつか現れる。そういった人は、こちらが申し訳なくなるくらい、見返りも計算もなく、たくさんのプラスを与えてくれる。そんな時「ありがとう」といって前に進むのじゃ。振り返ったり、すぐに恩を返そうと思ったり、しなくていい。やがて恩を返せる時がくる。おまえならば、おまえのカフェが軌道に乗った時じゃ。その時は、私に毎日コーヒーをご馳走してくれればいい。その時までおまえは、たくさん甘えればいいのじゃ。この、ブランカと名乗る、ロクデナシのクズ野郎にな。」

 自分自身も開業までに家族や多くの人達に支えられてきました。充分なお礼もできないままです。けれど、長くお店を続けることが一番の恩返しになると思い、自分の出来る範囲で、いつものように店に入っていただけるよう店を開けていたいと考えています。