ロブスタ

 コーヒー生産国は約70ケ国にも及び、飲用目的で栽培され、かつ国際市場で取引されているコーヒーの種は、アラビカ種とカネフォラ種の2種にすぎません。現在、アラビカ種はニューヨーク、カネフォラ種はロンドンで先物取引が行われています。また、アラビカ種の品種は数が多く、ティピカ、ブルボン、マラゴジッペ、パカマラなどがあります。一方、カネフォラ種の品種は主にロブスタに限られ、その為、カネフォラ種は一般的にロブスタと呼ばれています。

 このロブスタという言葉には“頑丈・がっしり”という意味があり、その名が示すようにロブスタ種はアラビカ種と比較すると、暑さや病虫害に強いのですが、特有の泥臭さというか、濃い麦茶のような味でストレートで飲まれることはあまりありません。ブレンド用やインスタントコーヒーの原料として多く用いられています。

 このロブスタを少しだけ試飲用に焙煎して、数人の方に味わってもらいました。もちろん、日常ではロブスタをペーパードリップで飲むことはりませんので、全員が美味しくないとの意見でした。ですが、インスタントコーヒーやブレンドの一部、苦いだけのアイスコーヒー用に混ぜられていることはあまり知られていません。そんな話をすると、確かにこの臭いを感じたことがあると言われます。

 コーヒーは、お米やパンのように口に入るものです。「天然果汁100%」、「〇〇産原料」など、普段気にしている商品と比べて関心が少ないのも気になります。嗜好品のコーヒーですが、そんな農産物としてのコーヒーのことも知ってもらいたいと思うのでした。