かぼちゃと柚子湯

 今日は冬至です。我が家でも例年のごとく、かぼちゃ料理と柚子湯を行います。ここ数日、かぼちゃの煮物が続いていたので、今日はかぼちゃの素揚げのあんかけです。柚子湯は、妻が急きょ庭の柚子を切って用意しました。とりあえず、恒例行事をつつがなく行ったという感じでしょうか。

 そもそも、冬至とは北半球において太陽の位置が1年で最も低くなる日で、日照時間が最も短くなります。夏至と日照時間を比べると、北海道の根室で約6時間半、東京で約4時間40分もの差があるんだとか。すごいですね!

 1年で最も日が短いということは、明日から日が長くなっていくということになり、冬至を太陽が生まれ変わる日ととらえ、古くから世界各地で冬至を盛大に祝っていたようです。中国や日本では、冬至は太陽の力が一番弱まった日であり、この日を境に再び力が甦ってくることから、陰が極まり再び陽にかえる日という意の一陽来復(いちようらいふく)といって、冬至を境に運が向いてくるとしています。

 そんな理由から、冬至には「ん」のつくものを食べると「運」が呼びこめるといわれており、にんじん、だいこん、れんこん、うどん、ぎんなん、きんかん、など「ん」のつくものを運盛りといって縁起をかついでいたのです。かぼちゃを漢字で書くと南瓜(なんきん)。つまり、運盛りのひとつなんですね。本来かぼちゃの旬は夏ですが、長期保存が効くことから、冬に栄養をとるための賢人の知恵でもあるのです。

 柚子の方は、柚子(ゆず)=「融通」がきく、冬至=「湯治」。こうした語呂合せから柚子湯に入ると言われています。また、厄払いするための禊(みそぎ)としての意味合いもあるようで、柚子は香りも強く、邪気がおこらないという考えもあったようです。端午の節句の菖蒲湯も同じなんだとか。

 こうした意味合いもあまり考えずに、習慣として我が家では長年生活に取り入れていますが、実際のところ多くの家庭ではどうしているんでしょうか。子どもの頃から当たり前のようにして暦を見たり、年中行事を行っているので疑問に感じたことはないのですが、できるだけ伝統的な生活習慣を続けていきたいと思います。生活を楽しむというのは、こうして意味合いを時々確かめながら、日々の生活をを感謝することが大切なのではないでしょうか。